誰もが満足して
クリニックを後にできるように……
CL処方では“最適のレンズ"を目指して

北海道恵庭市・すずき眼科

心と心が触れ合う医療を通じて「来て良かった」と思えるクリニックに

患者さんの心と触れ合うところから医療は始まる。それが私の考えです。よくスタッフにも患者さんにも言っているのですが、「病気を治すためには、医者の力が25%、家族やスタッフの心遣いが25%、残りの50%は患者さん本人の気持ち次第なんですよ」と。どんなに医者やスタッフががんばっても、優れていたとしても、治したい、という積極的な意思が伴わなければ、病気を克服することはできません。それは患者個人の問題だから、クリニックが関知する必要はない? そんなことはありません。治そうという思いを高めるために、患者さんの心を開き、その開かれた心と、医師やスタッフの心とをじかにつないでいくことは可能だと信じています。私は開院当初、『あいうえおの訓辞』を作成しました。「いさつで始まる人のふれあい。つもテキパキ、プロの仕事。れしいことは、みんなの喜び。がおがつくる、優しい心。もいやりの心、医療の心。」……この5箇条に、患者さんと心触れ合うためのエッセンスを盛り込んだつもりです。今も毎朝スタッフと唱和し、初心を忘れず、緊張感をもって診療に臨んでいます。

3年ほど前からは、白衣もやめてしまいました。今着ているこの服が、私のユニフォーム。衣類ひとつでも心のバリアになるのではないかと感じたためです。スタッフにも制服廃止を提案したのですが、待合室で患者さんと区別できないということで、残念ながら却下されてしまいました(笑)。

すべての患者さんに「来てよかった」と感じていただくことが、すずき眼科の目標です。ハード面でもその点を考慮。当院では、徹底したバリアフリー設計とし、高齢者や身体障害者、妊婦、車椅子の方でも無理なく来院できるよう、エレベーターも設置したところ、恵庭市の福祉環境設備要綱適合第一号に認定されました。

丁寧で分かりやすい説明を心がけ、診療時間外も医師の責務を自覚

日常診療では、とにかく患者さんやご家族とじっくり対話しながら、病識だけでなく、なぜ病気になったのかまできちんと理解してもらおうと心がけています。

つい先日のことですが、お兄さんがある眼疾患で入院したため、自身の発病を心配した双子の妹さんが来院されました。検査の結果、網膜に微小な穴がいくつか見つかったため、十分に時間をかけて、病状と原因、治療の選択肢など説明した上で、レーザー治療を施しました。するとその後、その方のお兄さんから、「妹から先生のことを聞いた。あなたの患者ではないが、私の病気についても詳しく教えてもらえないだろうか」とお電話がありました。その日は休診日だったのですが、クリニックの留守番メッセージには自宅の電話番号を吹き込んであり、緊急の場合はどなたでも気軽にご連絡いただくことにしています。よほどご自身の病状が不安だったのでしょう、結局2時間近くお話しをし、「よく分かりました」と納得されたようです。妹さんが私の診療を信頼してくださったのなら嬉しいことですし、またその人を通じて、お兄さんが私を頼りにしてくれたのなら、それもありがたいことです。私はただその思いにお応えするよう、できる限りのことをするだけです。

こういうことはあまり頻繁にはありませんが、やはり、患者さんに心を開いてもらいたいと願いながら診療をする以上、私自身も常に“開かれている"状態であるべきかと思います。クリニックで働いているときだけが医者、というのではなく、私は24時間365日医師でありたいと考えています。当院を頼りにしてくれるすべての方に喜んでいただくために。その方針は、CL診療においてもまったく変わることはありません。

多様な選択肢を用意して最適なコンタクトレンズを処方する

私は屈折矯正という観点から、長年CL診療に積極的に取り組んできました。ただし、単純に処方するのではなく、その方にとって本当にCLが必要かどうかを最初にしっかりと吟味します。たとえば、長時間コンピューターを使う人は、まばたきが減り、眼が乾きやすくなるので、CLでなく眼鏡をおすすめしています。どうしてもコンタクトという人にも、眼球の模型を見せながら、「角膜には血管がなく、酸素の溶けた涙液を通じて呼吸していること」、「だから装用時間を守らないと、角膜が慢性的な呼吸困難に陥って、眼病の危険が増すこと」、「視野が狭くレンズが曇る眼鏡と比べてCLの方が快適だからつい長時間装用してトラブルを起こしがちであること」など、メリットとデメリットをお話しします。

実際の処方では、最大限に視力が出て、しかもその人の目に合った、動きの良いレンズが決まるまで妥協しません。このため当院では、ディスポーザブルだけでも、複数社のレンズを40種以上用意。角膜やまぶたの形をチェックし、多様な選択肢の中から最適と思われるレンズをチョイスします。その後、およそ1週間してから再度来院していただき、違和感があったり、思ったほど視力が出ないときは、何度もトライアルを繰り返します。

どのメーカーが良いかではなく、その患者さんの眼にどのCLがふさわしいかが選択の基準。BIOMEDICSは、開院当初から採用していますが、メーカー別に見ると、現在、当院のCL処方全体の中で、2番目か3番目に多くなっています。私にとって数ある選択肢のひとつであり、かつ欠かすことのできない存在といえるでしょう。

地域社会と密接な関係を築き患者本位の医療を続けていく

地域医療の担い手として、地域に溶け込み、地域を知り、地域を愛する気持も大切にしています。

クリニックの受付では、スイカやじゃがいも、かぼちゃなど、その時々に私自身が収穫を手伝った地場の野菜を販売し、全額を社会福祉団体などに寄付しています。これはもともと知り合いのスイカ作りに参加させてもらったのがきっかけでした。いっぺんに100個ほど収穫できるので、スタッフや隣近所に配っても到底食べきれない。じゃあ、クリニックに置いてみようか、ということで始めたのですが、「あれは、どこで取れたスイカ?」「岩見沢の北村産のですよ。じゃがいもとかぼちゃは恵庭の生まれです」という具合に、患者さんとの自然なコミュニケーションにも役立っています。最近では、「今年はいつ頃スイカが出ますか?」と、待望されるほどになりました(笑)。

また、恵庭市の開業医の集まりである『エイシン会』で代表を務め、さまざまな地域活動を行っている人をゲストに招いて、年に10回ほど、会食しながら意見交換をしています。もう14年になりますから、およそ150名の方々との交わりを持った計算になります。こうした積み重ねは、地域住民として、地域の医者として、大きな財産です。そのほかにも、恵庭市のボランティア運営委員会の委員長や、ライオンズクラブの献眼・献血委員長を務めるなど、多くの機会を通じて地域との交流を深めています。

開院から16年。今後も、日々の診療、地域活動を通じて、患者さんの心を理解し、患者さんの病を癒し、「来てよかった」クリニックでありたいと願っています。

My Style

鈴木先生が考えるCL診療・処方のポイント

  1. 本当にコンタクトレンズなのか?最初にしっかり検討する
  2. コンタクトレンズのメリットとデメリットを丁寧に説明する
  3. 多様な選択肢を用意して眼の形状等に合う最適なレンズを選ぶ
  4. BIOMEDICSは選択肢のひとつとして患者の眼と視力を考慮しながら活用する

鈴木 泰 Yasushi Suzuki

札幌医科大学医学部卒業。勤務医を経て、
1992年4月 すずき眼科を開院。
恵庭・千歳・北広島の三市眼科懇話会代表のほか、
恵庭の若手開業医グループである
エイシン会代表なども務める。

CLINIC DATA

診療内容
眼科診療一般、眼鏡処方、コンタクトレンズ処方
所在地
北海道恵庭市柏陽町3-22-8
診療時間
9:00~12:30 14:00~17:30
休診日
木・日・祝・年末年始
スタッフ
常勤4名、非常勤3名
(うち視能訓練士1名、看護師1名ほかはすべて眼科コメディカル)
外来患者数
1日平均約60名
   
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